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トラックボールのすゝめ

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Satoshi Okawara
公開: 2024.08.19  更新: 2024.08.19
皆さんはふだんマウスをお使いですか? 私はトラックボールを使っています。

昔はマウスを使っていてボタンやホイールが多い多機能なお高いマウスを買ったこともありました。とくに MX Revolution が気に入っていました。

しかし、15年ほど前、当時の同僚から熱い布教活動を受けトラックボール派に改宗しました。いまでは熱心な教徒です。なぜ改宗したか、その魅力をお伝えします。(ただの布教活動)

○ 腱鞘炎・肩こり予防

トラックボールはその名の通り、カーソルを動かすのにボールを使うデバイスです。ボールを指だけで動かすので腕は固定されます。腕が固定できると手首や腕の疲労はだいぶ軽減されます。

マウスを長く使うと腱鞘炎に悩まされることがあります。マウスを移動させる一回の距離は数cmほどですが、毎日数え切れないほどの回数を動かすとなるとその距離も馬鹿にならないでしょう。

移動させるときは持ち上げます。わずか数mmほど、軽いものを上げる力はそれほど要らないはずですが、1日にたくさん動かすとけっこうな運動量になるはずです。

トラックボールなら指先だけの運動で済むので腱鞘炎にはなりづらいです。肩こりも感じにくいです。健康面でオススメです。ヘルスケアの一貫としていかがでしょう?

○ 場所を取らない

トラックボールは使用時の占有面積が少ないので小さなデスクでも使えます。

トラックボール本体自体はマウスよりも大きいですが、移動が不要なので狭いスペースでも使いやすいです。マウスパッドほどのスペースが無くとも使えるのです。とくにコロナ禍の在宅ワークで広いデスクが確保できなかった時期はトラックボールの省スペース性に助けられました。

○ なんか気持ちいい

ボールを転がすのはなんだか気持ちいいんです。

これは共感を得るのが難しいかもしれません。しかし、スムーズに回ってくれるボールはコロコロしたくなる魅力があります。作業に煮詰まったとき、ボールをコロコロ、マウスカーソルをくるくるするだけで、ちょっとだけ和む、かもしれません。


ここまでメリットを挙げましたが、さすがに良いことづくめではないです。ということで苦手な点を挙げてみると…

✕ 曲線が苦手

スムーズに曲線を描くのは難しいです。

絵を描いたり字を書いたりするのは苦手です。もしかしたら私の鍛錬が足りないだけかもしれませんが、曲線を多用するときはマウス、またはペンタブレットがおすすめです。

ただしベクター形式のようなハンドルを操作する系統のツールには困ることはないでしょう。

✕ 掃除が要る

昔のマウスはボールが入っていたので定期的な掃除をしないと転がり抵抗を感じることがありました。トラックボールはまさにそのボールが主役なので掃除は欠かせません。

掃除をしないとボールの動きが渋くなり、気持ちいいコロコロ感が味わえなくなります。逆に掃除したてはスムーズな動きを即感じられるため、こまめな掃除も良いクセになります。

✕ 持ち運びには向かない

ボディサイズがマウスに比べると大きいため持ち運びは少々わずらわしいです。Amazonで見かけるような持ち運び専用のケースを使っているツワモノもいるようですが、かさばるのは惜しいところ。持ち運びに適した小型なモデルもありますが、手にフィットするかは個人差があります。

操作のタイプ

トラックボールには操作方法の違う三種類のタイプがあります。ボール操作に使う指で種類が分かれます。

1. 大型タイプ 2. 人差し指タイプ 3. 親指タイプ
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人差し指 + 中指でボール操作 人差し指 + 中指でボール操作 親指でボール操作
大型ボール 中型ボール 小型ボール

画像出展:Amazon

操作タイプごとの違い

1のタイプは大きなボールをつまむようなイメージでボールを転がします。ボタンは親指で操作することが多いでしょう。ホイール操作はボールを横回転させたり、ボール外周のリング状のダイヤルを回したり、タッチセンサーをなぞります。

2のタイプは二本の指先でボールをくりくり操るイメージです。ボタンやホイールは親指で操作するかたちです。ボールは比較的大きいので細かい操作もやりやすいです。

3のタイプは親指でボールを操作し、人差し指と中指でボタン、ホイールを操作します。ボタンの操作はマウスと同様なのでなじみやすいかもしれません。ボールが小型なので素早くダイナミックな操作に長けています。

私は3のタイプを常用しています。おそらく市販品のなかでも一番製品が多いです。
一度タイプを決めると長く付き合うことになるでしょう。店頭展示品がたくさん並んでいるようなお店があれば、それぞれのタイプをちょっと触ってみることをおすすめします。
(ちょっと触ったくらいでは判断つかない要素も多いてすが)

製品が増えた

トラックボール自体は昔からありますが、使用者が少ないため製品の絶対数は少ないです。

しかしここ数年で急に新たなモデルが増えたようです。Amazonで検索してもいままで知らなかったメーカーの製品が候補に複数出てきます。コロナ禍で在宅ワークが増え、需要が上がったのでしょうか?

事情はわかりませんがトラックボール信者にとっては嬉しい状況です。

おすすめの品

さまざまな製品のなかで実際に触っているモデルを交えつつ、おすすめの製品を紹介します。

定番のロジクール M575

親指タイプのモデルでド定番のロジクールM575です。私が初めてトラックボールに触れたのはこの先代にあたるM570でしたが、正常進化した製品です。マウスやキーボードの製品もたくさんのラインナップがあるロジクールなので無線のドングルも共用しやすかったりしますね。

手のひらが乗る箇所にはリブがついていて収まりがいい感じです。電池駆動で単三電池1本ながらけっこう長く使えるのはありがたく、無線のドングルもボディ内に収まり軽めなので持ち運びにも割りと向いています。2.4GHz無線とBluetooth両対応なのも心強いですね。

間違いないロジクール MX ERGO

当社に入社したとき、思い切って自腹購入したロジクールのMX ERGOです。ボディの設置角度が切り替えられる仕組みは面白いですが、実際は立てた角度のほうで使うことがほとんどでした。

お値段が1万円を超えてしまうのでなかなか購入するのは決心が要りますが、長く使うと思えば元は十分に取れるはず、と言い聞かせて買いました。

実際に6年以上の相棒を務めてくれ十分元は取れてはいるものの、最近ボタンのスイッチ部品が若干緩んできてドラッグ中にスイッチが外れてしまう現象に悩ませられるようになりました。
ファイル操作中に落としてしまったり、矩形選択中に外れてしまうのに悩まされることになり別モデルの買い替えを検討することにしました。

こちらは充電モデルで端子が今どきではないUSB Micro Bなのは残念なポイントですが、お高いだけあってボールの操作感もスムーズで気持ち良いです。ボタン配置のカスタマイズもソフトウェアで対応しているので、こだわり派の方にはぜひおすすめしたいです。

My book mark

じつはMX ERGO、内部のスイッチ故障以外には不満がないので、スイッチ部品の交換を頑張って延命を図ってみようと目論んでいます。

【Logicool】トラックボールマウスMX ERGOのクリック音を静音化 | マナトイ

コスパ最強? ProArc EM04

シルエットがロジクールのM575とそっくりなモデルです。いままでProArcというメーカーは全然知らなかったのですが、ここ1年の間でAmazonのショップで見かけるようになり、気になっています。

まだ実際に触ったことがないのですが、レビューを見ても良い感じでM575よりも安く購入できるので、初めてのトラックボールに最適かもしれません。

M575と大きく違うのは充電式という点です。充電式が好みの人にはこちらのほうがマッチしますね。ボールのカラーを選択できるのも良いかもしれません。

直近で買った ProArc EM01NL

こちらもProArc製でMX ERGOによく似たかたちの製品です。お値段がだいぶ抑えられているので、MX ERGOは手がでないけどボディの傾きがあるモデルを使いたいときには一択かもしれません。

もともとボールが収まる穴の淵がLEDで光るRGBモデルが先にあり、そちらの購入も考えていたのですが、最近LED無しのモデルが出てきたのと先日のAmazonセールでお安くなっていたので飛びつきました。

概ねMX ERGOと近い使用感で使えます。大きな差としては、ホイールを横方向に倒す操作、チルトが無いのと、ボタン配置をカスタマイズする機能は用意されていないところでしょうか。しかし、それらの機能はそれほど重要でもないので十分代替できるモデルです。

MX ERGOはボディがゴムっぽい仕上げになっているので、触った感じがしっとりとしてズレにくいのが特徴ですが、このゴムっぽい仕上げが経年劣化でべとつく嫌なポイントもあります。そこはM575のようなリブ上の仕上げになっているので長く使っていても変化がないのもポイント高いかもしれません。(ただ、手触りはMX ERGOのほうが落ち着きます)

個人的にはボタンのスイッチが静音仕様で静かなのもポイント高く、オフィスでの使用も安心。充電端子もUSB type Cなので今どきで扱いやすいです。

こちらのモデルもお値段は控えめなので初めての購入にも合うと思います。

さまざまなモデル

紹介した製品以外にもエレコム、サンワサプライ、ナカバヤシなどの国内メーカー製品や伝統的なケンジントン、ボール単品でもよく見るペリックス、はたまた名を知らないメーカーのモデルも最近はたくさん見かけるようになりました。

リンク集

おわりに

入力機器はPCで作業する時間が長ければ長いほど触れる時間が多くなります。少しでも自分に合ったモデルを使うことで、作業がちょっとでも快適になったり、健康被害を抑えられることもあります。ぜひこだわってみてもらいたいです。

マウス操作に疲れを感じているそこのアナタ、デスクスペースの確保が難しいアナタ、ぜひ一度トラックボールに触れてみませんか?