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TAがいるチームの強み

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André Moreira
公開: 2024.11.20  更新: 2024.11.20
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チームにテクニカルアーティスト(以下「TA」という)がいることによってどんなメリットがあるのかを解説します

こんにちは、TAのモレイラです。
本日は、TAがいるチームの強みについて書きたいと思います。

ここ数年、ゲームや映画などのメディアでの映像表現がかなり豪華になってきましたね。
モデル、アニメーションやエフェクトなど、各要素のクオリティが確実に上がり、データの容量も増大され、一つの製品を完成までもっていく工程が様々な知識を必要とする時代になっています。

反復作業の排除

特にアセットが多いゲームでは、作業に必要な工数が非常に多いです。
同じような工程でアセットが作れますが、物量が多すぎてリリースまでとても間に合いません。現実的なスケジュールが組めません

反復作業にキリがない!
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その時是非知っておいていただきたいのは、TAの仕事です。
TAの概念や細かい分類が色々ありますが、基本的に言えるのは、TAはプログラマーとデザイナーの間のような立ち位置ということです。すなわち、両世界のことを把握しています
両世界の事情を理解することによって、様々なメリットがあります。一つの大きな例としては、デザイナーの仕事の効率を上げることです。

反復タスクをこなすには長い時間がかかってしまいます。反復作業はできるだけ機械に任せて、時間を有利に使いたいですね。
そこにTAが入ります。デザイナーに事情をヒアリングして、どのような工程を自動で処理して欲しいや、どんな操作で対応したいなどを確認したうえで、そのためのツールを作ります。ツール開発は基本的にプログラミング知識を使いながら作り、DCCツールなどより実行できるようにします。

そうすると、数時間かかっていた一連の処理が、いくつかのパラメータの調整とワンボタンクリックで数秒で終わらせられます
もちろん作業の内容によりますが、上記のようなケースは良くあります。

効率を上げて、コストを下げる
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ワークフローの改善

もう一つの例として、各セクションのワークフローの改善も挙げられます。
ゼロからリリース候補データまでもっていくには、分野によって工程が変わります。
Aソフトでまず仮データを作り、Bソフトで加工し、Cソフトで合成し、Dソフトで最終表示させる、というような流れでデータを作っているとします。かかる工数は当たり前に思い、実は時間の節約ができることすら認識できていないこともあります。

このような時でもTAが役に立ちます。
上記の流れは場合によって簡素化できるかもしれません
実はCソフトで行っている作業がBソフトでもできたり、ちょっとしたスクリプトを間に挟めばそもそも自動化できて考えなくても良い作業だったり、あるいは現在の流れで出来上がっているデータが理想の形ではなく全部考え直した方が良かったりして、TAがケースバイケースで考えて対策を提案します。

その結果、必要な工数が削減されたり、作業によるストレスが改善されたり、検討する余裕がなかったコンテンツに力を注ぐことができるようになったり、そもそもの労働時間だって減る可能性が充分にあり得ます。機械的な作業のせいで発生する残業は是非やめましょう!

TAは、製品の目に見える部分を直接手掛けないこともあり、その場合成果は少々図りづらく、環境によって理解されづらい職種ですが、大きなプロジェクトの進行管理がしっかりしていれば、多くの工数削減が全体的な予算とスケジュールにとても良い影響を与えることができます。

ぜひ、TAとチームを組んで、作業効率と製品品質を上げていきましょう!

チームに大きな貢献が期待できる!
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